東京、夜の食文化をたどる

ミシュランガイドの星が最も多い街としても知られる東京。ラグジュアリーなレストランから、グループでにぎやかに過ごせるカジュアルなお店、地元の人々に愛されるローカルな居酒屋、そして忍者や相撲などをテーマにしたエンターテインメント性あふれるレストランまで、さまざまな選択肢があるのも魅力です。
日が暮れると、東京は昼間とはまったく異なる表情を見せ始めます。看板の光がともり、のれんがかかり、世界中のあらゆる料理の香りが街角から漂ってくるでしょう。気になるお店に、ぜひ飛び込んでみてください。
多様な選択肢があなたを待つ街

東京の夜の食のシーンの特徴は、その圧倒的な多様性にあります。この街には、あらゆるスタイルや価格帯の食体験が共存しているのです。
たとえば、銀座や虎ノ門の高層ビルにある星付きレストランでは、夜景とともに洗練された料理が楽しめます。隅田川では屋形船が行き交い、天ぷらや刺身、冬は鍋などを味わいながら江戸情緒に浸ることができます。カウンターだけの高級な寿司屋や、庶民的な価格の飾らない定食屋なども各地に点在しており、価格帯の幅が広いのも特徴です。
さらに、東京では世界各国の本格的な料理が楽しめるのも大きな魅力。フレンチやイタリアンはもちろん、中東料理、インド料理、中南米の料理など、世界中の味覚が集結しています。特に新大久保のコリアンタウンでは夜遅くまで活気が続き、池袋では中国各地の本格的な味、通称「ガチ中華」と呼ばれるお店がひしめくなど、アジア各国の料理も本場さながらの味わいで楽しめます。この振り幅の大きさも東京の食の魅力です。
あなたに合ったお店を見つけるために

これだけの選択肢があると、どこへ行けばいいか迷ってしまうのも当然です。特定の料理や予算、エリアが決まっている場合は、専門サイトを活用するのがおすすめです。
例えば、「EAT東京」では、外国語メニューが用意されている飲食店を、ジャンルやエリアなどを絞って検索できます。こうした専門サイトも活用しながら、目当てのお店を探してみてください。
街歩きしながら食との出会いを楽しむなら

あえて目的地を決めずに街を歩き、その場の雰囲気で店を選ぶのも東京の夜の楽しみ方。目に留まったお店に立ち寄るのもいいですが、行き先に迷ったときにはおすすめしたい4つのスタイルがあります。
まず、気軽に複数の味を楽しみたいなら「フードホール」へ。最近では江戸の町並みを再現した「豊洲 千客万来」や、ガレージ風のフードマーケット「ガレーラ フードマーケット 立川」など、食事だけでなく空間も楽しめる場所が増えています。
東京らしいディープな雰囲気を求めるなら「横丁」がいいでしょう。「赤羽OK横丁」や三軒茶屋の「三角地帯」などが有名です。狭い路地に小さな店がひしめき、カウンター越しの店主との会話、隣の客との偶然の出会い、そして昭和から続く独特の空気感が魅力です。「虎ノ門横丁」をはじめ、横丁の魅力を残しながら現代的にアップデートされた「ネオ横丁」なら、清潔感のある内装と分かりやすい料金体系で、初めての人でも入りやすくなっています。
お酒をメインに楽しみたいなら「居酒屋」は外せません。日本独特の飲み屋文化を体験できる居酒屋は、ビールや日本酒、焼酎などを、刺身、焼き鳥、枝豆といった多彩な料理とともに楽しめる場所。仕事帰りのサラリーマンから観光客まで、誰もが気軽に立ち寄れる雰囲気があり、日本の日常を味わえる貴重な体験となるでしょう。
そして、もっと落ち着いた雰囲気でお酒を楽しみたいなら「バー」という選択肢も。東京には、老舗のバーから、隠れ家的なカクテルバー、カジュアルなバーまで、多様なスタイルのバーが存在します。バーテンダーとの会話を楽しみながら、あなただけの一杯を見つけてみてください。東京では「ハシゴ酒」という言葉があるように、複数の店を巡りながら夜を楽しむのも粋な過ごし方です。
夜の東京には、まだまだ語りきれない食の魅力があります。深夜営業の喫茶店やカフェ、相撲や忍者、物語などをテーマにしたコンセプチュアルなレストラン…。この街のどこかに、きっとあなたにとって特別な一軒が待っているはずです。







