東京の夜が本格的に始まるのは、ネオンが街を彩り、人々が思い思いの場所へと向かう時。東京人が実際に楽しむ夜の過ごし方や知っておくと面白い知識を紹介します。
赤提灯の下で交わされる乾杯、カラオケボックスから漏れる歌声。そして、大浴場で足を伸ばしてリラックスしたり、締めのラーメンをすすったりと、まるで東京に暮らしているかのような体験を楽しんでみてください。
リラックスできる社交場「居酒屋」
居酒屋文化は東京の夜の代表格です。赤提灯が灯る横丁やモダンな飲み屋など、スタイルもさまざま。仕事帰りの「ちょっと一杯」だったり、友人や恋人と休日に立ち寄ったりと、幅広いシーンで利用されています。
居酒屋を訪れたら、挑戦してもらいたいのが「ホッピー」や「酎ハイ」。これらは戦後(1940年代後半以降)に、当時高価だったビールに味を近づけたり、安価だった焼酎を飲みやすく工夫したりする過程で生まれた飲み物だといわれており、今でも東京人に愛されています。
例えば、「ホッピー」は焼酎で割って楽しむビール風味の飲み物。味はもちろん、自分の好みの酒の濃さで楽しめるのが魅力です。「酎ハイ」は「焼酎ハイボール」の略称だといわれています。「下町ハイボール」と呼ばれることもあり、それぞれの店独自のこだわりが詰まっています。ぜひ試してみてください。もちろん、大抵の居酒屋にはノンアルコールのメニューがあるので、お酒を飲まない人にも安心です。
また、お店によっては、飲み物を注文した時に、頼んでいないのに小皿料理が出て驚くかもしれません。これは「お通し」といって、テーブルチャージに含まれているものです。基本的に断れるものではないのですが、どうしても食べられないものだったときは、お店の人に相談してみてください。

カラオケで思い切り歌う
日本のカラオケは「カラオケボックス」と呼ばれる個室タイプのものが主流で、気心の知れた人たちと気兼ねなく楽しめるのが魅力です。朝まで営業している場所も多く、ストレス発散や友人との交流の場として愛されています。特に年末の忘年会などの飲み会の後に立ち寄ることが多いです。
最近ではグループではなく、一人で訪れる「一人カラオケ」も定着し、自分だけの時間を楽しむ人も増えています。中には、一人専用のブースを作るカラオケ店もあるほどです。
また、友人と訪れて盛り上がるのは採点機能。友人同士で競い合ってみてください。照明も自分たちで調整できることが多く、派手なライティングでテンションを上げましょう。
もちろん、日本の曲だけでなく、有名な洋楽も収録されています。パーソナルな空間・カラオケボックスで、大好きな曲を思い切り歌って楽しんでみてください。

温浴施設でまったり過ごす
大きい湯船で、足を伸ばしてゆったりとリフレッシュしたい……。そんな時に東京人は銭湯をはじめとする温浴施設へと足を運ぶことがあります。天然温泉だったり、露天風呂があったり、昔ながらの富士山のペンキ絵が描かれていたりと、施設によって特色がある点も魅力です。
もしかすると、独自のルールが多い印象があって、訪れるハードルの高さを感じている人もいるかもしれません。しかし、次のことを覚えておけば、安心して大浴場を楽しめるでしょう。
まず、脱衣所で服を全部脱ぎましょう。そして、湯船に入る前に、シャワーやかけ湯でしっかりと体を洗ってください。浴槽は滑りやすいこともあるので、飛び込まず、ゆっくりと入りましょう。髪が長い人は、お湯に髪の毛がつからないように、束ねるかタオルでまとめるのがマナーです。また、施設によってはタトゥーが入っている人は入浴を断られる場合もありますが、タトゥー・フレンドリーな施設もあるので、事前に調べていくと良いでしょう。銭湯の詳しい入り方は、こちら(銭湯の入り方 | 【公式】東京銭湯/東京都浴場組合)をご覧ください。
銭湯に入ってサッパリしてから飲みに行く、という人も多いです。ですが、くれぐれも飲酒後の入浴は避けてください。

飲み会はラーメンで締める
深夜営業のラーメン店巡りは、東京人の夜の楽しみの一つ。飲んだ後の「締めのラーメン」は、定番中の定番だといえるでしょう。
繁華街には深夜営業をしているラーメン店が多く、中には24時間営業のお店もあります。バーや居酒屋の帰り道、なんだか小腹が空いたり、少しだけ酔ったりしている体に、熱いスープと麺が染み渡るでしょう。濃厚な豚骨、シンプルな醤油、あっさりとした塩、コクのある味噌など、その日の気分や胃の調子で選んでみてください。
そして、「ズズズッ」と麺をすすって食べるのに驚くかもしれませんが、これは日本での一般的な食べ方です。すすって食べることで、麺とスープを同時に味わうことができるといわれています。東京人が楽しんでいる味を感じられるはずです。とはいえ、必ずすすって食べなければいけないわけではありませんので安心してください。
ラーメンを食べながらその日の出来事を振り返り、ゆったりと宿泊先へ戻ってください。


